サッカーの指導が学べる動画サービス「COACH UNITED ACADEMY」では
好評いただいた前回のキャンペーンに続き、
新年度を迎える新チーム応援キャンペーン【第2弾】をお届けします!
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育成のプロ!池上正さんによる
「8歳~12歳までの年代別指導法」
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を3枚のDVDセットにしてプレゼント!
先着50名となります!この機会をお見逃しなく!!
<<キャンペーン概要>>
【キャンペーン対象】
●対象期間中に同じチームから2名以上「年額プラン」に新規入会いただいた方
※月額プランは対象外です
※先着50名が対象となり定員に達し次第終了となります
※4月のキャンペーン特典である「オリジナルバインダー」もプレゼント対象になります
【対象期間】
2023年4月1日(月)から4月30日(火)まで
【お申し込み方法】
新規入会の本登録画面にて下記を必ずご入力ください。
①「所属チーム名」欄にチーム名を記入
②「入会の動機」欄に"チームキャンペーン"と記入
※ご入力がなかった場合はキャンペーン対象となりませんのでご注意ください
※同じチームで2名以上が確認できなかった場合は対象外となります
<<キャンペーン特典の詳細>>
止める・蹴るの技術がおぼつかない選手や選手の技術レベルがまちまちなチームで、
どのように段階的にトレーニングをしていけばよいか、とても参考にしていただける内容です。
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<内容>
●指導者の心得
・スポーツの性質を理解する
・サッカーの性質を理解する
・1日のトレーニングの組み立て方
●U-8年代の指導ポイントとトレーニング7選
●U-10年代の指導ポイントとトレーニング7選
●U-12年代の指導ポイントとトレーニング7選
「U-8年代から取り組めるお団子サッカーの解消法」by上田原剛(DVD1枚組)
<内容>
●子供たちに必要な安心安全の場作り
●戦術的要素の入ったスポーツ鬼ごっこ
●止まった状態でコントロール技術を高めるパストレーニング
●離れてボールを受ける目的の理解と技術を高めるパストレーニング
●味方のサポートに必要な下がってボールを受けるパス&コントロールの練習法
●4対1のボール回しでパスの優先順位とポジショニングの状況判断を磨く
●幅と高さを調整してボールを受ける
●空いているサイドからボールを前進させる
個人での費用負担は難しいという方も、
チームの活動費から年額プランを利用される方も増えています。
年額プランは請求書や領収書の発行も可能ですので、
ぜひご検討ください。
テクダマは独自開発のバランス設定により、普通にバウンドすることもあれば、当たる面によって回転が変わるなど、不規則にバウンドするボールです。
今回は、千葉県の強豪として知られる流通経済大学、流通経済大学付属柏高校の下部組織である「クラブ・ドラゴンズ柏」の亀田宗龍U-12コーチに、トレーニングにテクダマを活用してもらいました。
イレギュラーバウンドを生み出すテクダマを使うことによるトレーニング効果は、どのようなものなのでしょうか?
※本記事はサカイクからの転載です
「普段のパス&コントロールなどのトレーニング時から『ボールを受けるときに、良い準備をしよう』と言っているのですが、テクダマを使うと、イレギュラーバウンドでパスがずれたり、ボールが浮くので、その状況を自然に作り出すことができますよね」
子どもたちは、テクダマを使った当初「なにこれ!」と興味津々だった様子。
「不規則なバウンドに従って、自然と対応するようになりますし、楽しみながらトレーニングができるので、すごくいいなと思います。トレーニングを重ねるごとに、不規則なバウンドをするテクダマでも、自然と扱えるようになってきたので、対応力は上がっているのかなと思います」
小学4年生の葛谷航生くんは「テクダマはどこに行くかわからないので、トラップがしにくいです」と話しつつ、「どこにボールが来てもいいように、トラップしやすい体の向きを作るようにしています」と、テクダマの変化にアジャストする姿勢を見せていました。
さらには「最初は跳ねてコントロールがしにくかったけど、ある程度できるようになってからは、普通のボールでもコントロールができるようになった」と効果を感じていました。
亀田コーチはその言葉を聞きながら、「無意識のうちに、そういうところに働きかけてくれるボールですよね。テクダマを使っていると、普通のボールは扱いやすくなると思います」と笑顔を見せます。
「テクダマをゲームの中で使うことによって、ボールと自分の関係だけでなく、相手との関係や予測力の部分にも影響があると思いますし、ボールが跳ねたり、ずれることで、それに対応するためのポジショニングにも、意識が向くようになると思います」
ゲームで使用することについては「チームとして、ポジショニングなどの意識づけに繋がると思ったので、テクダマを使ってみました」と話します。
選手たちのプレーを見ていると、不規則に動くボールに合わせて、普段以上に足を合わせに行く様子が見て取れました。また、イメージしているスピードよりも、ゆっくりボールが転がって来たり、途中で跳ねたりするので、それにアジャストする力も求められます。
「テクダマを使うことで、様々な変化に対応するためにより立ち位置やポジショニングに意識が向きます。そこを全体で確認した上でゲームに持っていくと、スムーズに繋がっていくのかなと思います」
「テクダマを使うことで、予測力、対応力はついてくると思うので、全カテゴリーにおすすめですが、なかでもジュニア年代のチーム、選手にとって、いいトレーニングになると思います」
ジュニア年代の場合、成長が速い子はフィジカルやスピードで局面を打開することできます。そのような子に対しても、イレギュラーバウンドをするテクダマを使うことで、能力以外の要素にもアプローチすることができそうです。
クラブ・ドラゴンズ柏の中には、個人でテクダマを買って、自主練に取り入れている選手もいるとのこと。大きさは2号球なので、体が小さな子でも十分に扱うことができます。
チームとしてだけでなく、たくさんの選手が個人練習に取り入れているテクダマ。技術の習得に加え、とっさの対応や身のこなしなど、様々な要素にアプローチすることができるので、自主練にぴったりです。
ぜひチームで、そして個人で活用してみてはいかがでしょうか? きっと、能力アップに役立ってくれることでしょう!
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全国大会では、強豪・ジェフ千葉を相手に引き分けに持ち込むなど、初出場ながら堂々とした戦いを披露した。
スフォンダーレSSは、常に複数の選択肢を持ちながら、後方からゲームを組み立て、主導権を握ることを目指している。
セレクションを実施しない街クラブにおいて、どのようにビルドアップの指導をしていくのか。チームを全国大会に導いた、依田章宏U-12コーチに実施してもらった。
ジュニアが実施するトレーニングだが、ジュニアユースから大人まで、すべての年代に必要な要素を、わかりやすく指導する様子は必見だ。(文・鈴木智之)
依田コーチは「ポゼッションスタイルを実践する上で重要なことは、寄せてくる相手の矢印を、ボールを持っている選手の目線と体の向きでコントロールして、縦・横・斜めの複数の選択肢を作りながら、相手をギリギリまで観て判断することだと考えています」と述べる。
チームとして、4~5mのショートパスとダイレクトパスを多用するので、どうしてもミスが起こる。そこで「ミスをミスに見せない」(依田コーチ)リカバリーする技術もトレーニングし、スムーズなボール循環を目指していく。
前編では「体の向きと止める・蹴るの基礎技術の習得」をテーマに、「T字パストレーニング」を実施。4人1組になり、T字を描くように選手を配置し、外側の選手が、中央にいる選手に速いパスを出し、ボールを受けた選手は、時計回りに向きを変えてパスを出す。
依田コーチは「パスはボールを止めた足とは反対の足で出す」「大事にしてほしいのは、ボールを止める時にヘッドダウンしないこと」「止めて蹴る時に、軸足を引いて体の向きを作って、体重を乗せながら蹴ろう」とアドバイス。
また「観るものを増やして」「パススピードを上げよう」「ヘッドダウンしない」と声をかけ、「ボールを止めてから、蹴るまでのスピードをどれだけ短縮できるかが大事」と強調していた。
途中から「外の選手が、マーカーの左右どちらかに動く」というルールを追加。そうすることで、観ることへ意識を向けさせていく。
次に「中央の選手がパスの出し手に近寄り、ワンツーをする」というルールに変え、「パスの強弱とボールを呼び込むタイミングが大事」と声をかけていく。
「真ん中のスペースで受けるために、どういうパスを出せばタイミングが合うのか。そこを計算しよう」「左右のパスコースを見ることは絶対にやろう」といったアドバイスで、認知と判断に働きかけていった。
続いて、中央の受け手の選手がボールを浮かして、リカバリーするトレーニングに移行。設定は同じだが、最初のタッチでボールを浮かし、次のタッチでコントロールしてパスを出すというルールに変更し、一連のプレースピードを速くすることを求めていく。
2つ目のトレーニングは「4対1ダイレクト」。3m四方のグリッドで4対1のボールポゼッション(ダイレクトパス)を実施。
「狭いスペースでも立ち位置を微調整して、足の角度を変えて、ギリギリまで相手を観ること。慌てずに、脱力しよう。目標はパスを20本繋ぐこと。懐を作って、どこにパスを出すか。パスをどちらの足につけるかを考えよう」
ここでは、懐を作ってパスの向きを変えることや、足の入れ替えをデモンストレーション。
「軸足を踏み込むと動けない。リラックスして、いい状態で待つことが大事。ヘッドダウンせず、全体が観える体の向きと目線を意識しよう」とアドバイスを送っていた。
前編最後のトレーニングは「3対1+3対1」。5m四方のグリッドを正方形になるように作り、攻撃と守備の選手を図のように配置する。同じ色同士で1つのグリッドに入り、3対1を実施。
グリッド内で5本以上パスをつなぐと、その場で継続するか、別のグリッドへ移動することができる。別のグリッドに移動した後は、そこでまた3対1を行い、制限時間内に20本以上パスを繋ぐことを目指す。
依田コーチは「相手のプレスを上回って、縦・横・斜めの選択肢を作るようにサポートしよう」「サポートする人は、ボール保持者の体の向きで次のプレーを予測する。そこを見逃さない」と声をかけていった。
ポイントは「ボールを持っていない人との関係をどれだけ作ることができるか」。選手同士が繋がることで、パスコースができ、ボール保持がしやすくなる。今回はジュニアが実施したが、中学、高校、大学、大人と、どのカテゴリーにおいても重要な要素だ。
トレーニング後、依田コーチは「ボールの循環を良くするためには、相手のプレースピードを上回ること。そして、周りのサポートとサポートする選手の体の向きが重要です」と総括し、「ボールの移動中に、複数の選択肢を持つため、観ることを重視して指導しています」と話した。
次回の後編では、試合に近い状況でのビルドアップトレーニングを行っていく。
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【講師】依田章宏/
スフォンダーレサッカースクール(奈良県)で指導者としての活動をはじめ、「第47回全日本U-12サッカー選手権」、「第33回全日本U-12フットサル選手権大会 」では、チーム創立3年目で2つの全国大会出場に導いた。
「正しい認知,判断」「正確な止める蹴る」を重要視しフットサルトレーニングも取り入れて指導を行なっている。
今回は、千葉県の強豪として知られる流通経済大学、流通経済大学付属柏高校の下部組織である「クラブ・ドラゴンズ柏」の鳥井翔太 U-12コーチ 兼 U-12.15GKコーチに、GKトレーニングにテクダマを活用してもらいました。
イレギュラーバウンドを生み出すテクダマを使うことによるトレーニング効果は、どのようなものなのでしょうか?
※この記事はサカイクからの転載です
ドラゴンズ柏でU-12コーチ兼U-12.15GKコーチを務める、鳥井翔太氏。テクダマを手にした感想を「2号球と小さいですが、しっかりとした重さがありますね」と話します。(※テクダマは2号球サイズで4号球の重量がある)
「触ってみて、ボールのサイズ感とイレギュラーな軌道になるところが印象的だったので、最後までしっかりボールを見て、正面に入るところなど、キーパー練習に活かせるなと思いました」
「GKのトレーニングでは、基礎・基本の向上を大切にしています。しっかりと足を運んでボールの正面に入り、キャッチすることもその要素の1つです。試合中はイレギュラーバウンドをしたり、ボールが他の選手に当たって軌道が変わることがあるので、最後までボールを見ることも重視しています」
GKトレーニングにテクダマを導入したことについては「ボールの軌道を意図的に変化させるのは難しいのですが、テクダマはイレギュラーしたり、弾道がぶれたりするので、いい練習になります」と好印象。
「テクダマは不規則な動きをするので、GKとしては予測ができません。そこは通常のボールとは違うところなので、コーチとしても助かります。トレーニングではテクダマと5号球を混ぜて使いましたが、大きさが変わるだけで、脳や視覚への刺激は大きいと感じました」
「ボールの正面に入ること、最後までボールを見ることについては、テクダマを導入した頃と比べて、高まってきていると感じます。テクダマを通常のボールと同じように扱えるようになってきました」
正面でボールに対応するためには、足を運ぶことが不可欠。そのためにはイメージと動作の融合がポイントになります。
「テクダマは最後までボールの軌道がわからないので、いままで以上に足を運ぶことに、意識を向けるようになりました。普通のボールだと、そこまで軌道が変わることはありません。イメージ通りにボールが飛んでこなかったり、キャッチする直前までどんな動きをするのか、わからないのがいいですよね」
選手の反応も上々で、鳥井コーチは「いきなり弾んだり、軌道が変わったり、普段とは違う現象が起きることに、おもしろさを感じていました」と話します。
テクダマはキャッチトレーニング以外にも活用することができそうです。鳥井コーチは「テクダマは小さくて、軌道がぶれるところがあるので、クロスボールに対するパンチングの練習にもいいと思います」と教えてくれました。
最後に「どんな選手にテクダマを使ってほしいですか?」という問いかけに、次のように答えてくれました。
「全カテゴリーの選手におすすめです。我々は流通経済大学付属柏高校、流通経済大学までつながっている組織ですが、上のカテゴリーでも、このような要素は必要だと思います。どのカテゴリーでも刺激になる、おもしろいトレーニングができるんじゃないかと思います」
GKトレーニングに、新たな刺激をもたらすテクダマ。ぜひトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか?
]]>U-10年代で覚えておきたいのが「守備の基本」である。
そこで「どのようにしてボールを奪うのか?」「グループで守備をする際、どのように状況を認知して動くか」といった部分を、複数のJクラブでU-12の監督を努めた経験を持つ、GO FOWARD 愛知の対馬武志氏に実践してもらった。
今回の動画では「1対1・守備の個人戦術」「チャレンジ&カバー」という、守備の基本を指導する様子を紹介したい。ベテラン指導者による、わかりやすいコーチングは必見だ。(文・鈴木智之)
「1対1・守備の個人戦術」を指導するにあたり、対馬コーチは「このトレーニングでは、3つの大事なことを学んでもらいます」と話し、こう続ける。
「1つ目が、ボール保持者にプレッシャーをかけること。2つ目が、いつボールを奪えそうか。その状況を整理すること。3つ目が、シュートを決めさせないためにボールとゴールを結んだライン上に立つことです」
そのためのトレーニングとして「1対1(ゴールあり)」を実施。ゴール前にシュートゾーン(7m)を設けた1対1を行い、攻撃側はゴールにシュートを打って決める、もしくはゴールの横にあるコーンをドリブルで通過すれば勝ちとなる。守備側はボールを奪ったら、反対側のゴールを目指す。
ここで対馬コーチが強調したのが、「どういう守備をすれば、攻撃の選手を困らせることができるか」について。コーチからのパスで1対1がスタートするのだが、守備の選手はボールの移動中、相手に寄せることがポイントになる。
「距離を詰めると、相手は困るよね。それがプレッシャーかけるということだよ」
加えて、プレッシャーをかける意味を説明。「相手がプレーしようとする間合いを詰めて、スペースを奪おう。相手の顔を上がっていたら、どこに行こうか、考える時間ができる。プレッシャーをかけて、相手の顔を下げさせよう」
ほかに、攻撃の選手が足元にボールを置いている「いい状態」のときは足を動かして、しつこくディフェンスし、相手の足からボールが離れた瞬間に体をぶつけたり、体を入れたりして奪うことをレクチャー。
「その間合いで相手は困るかな?」「困らせるために、足が届くところまで近づこう」と声をかけ、プレッシャーをかけるようにうながしていく。
途中からシュートエリアを撤廃。攻撃が決めたら1点、守備がボールを奪って決めたら2点とし、個人戦にする。
対馬コーチは、ボールを奪えなくても、しつこく相手についていくプレーを見逃さず称賛。チャレンジを肯定する声かけは、見習いたいポイントだ。
続いてのテーマは「チャレンジ&カバー」。グループで守備をする際の基本ともいえる考え方だ。
対馬コーチは「ボール保持者に対するファーストディフェンダーは、先ほどまで学んだことを生かしてプレーしていきます。もう1人の守備者であるセカンドディフェンダーは、味方が抜かれたときにカバーできることと、もう1人の攻撃者にパスが出たときに、即座に対応できることを考えたポジションを取り続けることを学んでいきます」と説明。
トレーニングは「2対2(ゴールあり)」を実施。「1対1(ゴールあり)」にはあった、シュートエリアは設けず、どこからシュートを打ってもいいこととする。
対馬コーチは攻撃の選手に対し、「目的は点を取ることなので、まずはゴールを見よう」と声をかけ、守備の選手には「余裕をなくさせるために、相手に近づく。それがプレッシャーだよ」と声をかけていく。
プレーを見ながら「攻撃の選手は、顔が上がるからゴールが見える。考える時間を奪おう」と、相手にプレッシャーをかけることに意識を向けさせていた。
続いて「チャレンジ&カバーの原則」を提示。「一人目がかわされたら、二人目はゴールを隠すポジションをとろう。さらに、(もう1人の相手に)パスが出たときにも行けるようにすること。守備のときは、セカンドディフェンダーは2つ考えることがあるからね」とわかりやすく説明。
対馬コーチのアドバイスにより、カバーの意識が高まっていく。その様子はぜひ動画で確認してほしい。
また、相手が横に動いたときに、体をぶつける、もしくは入れて奪うことを強調。2対2になり、状況が複雑になったことで、これまで取り組んできたポイントを忘れがちになる。
そこを見逃さず、前のトレーニングで大事にしてきたポイントをていねいに教えていた。
以上でトレーニングは終了。選手たちに、「攻撃も守備も簡単じゃないので、失敗してもいい。次の練習にできることが増えていることが大事」と優しく声をかけ、締めくくっていた。
動画を通じて、守備の基本をわかりやすく伝える姿が印象的だった対馬コーチ。ベテラン指導者ならではの細やかな視点、言葉選びなど、大いに参考にしていただければと思う。
【講師】対馬 武志/
大学時代に、東京都保谷市(現西東京市)の碧山サッカークラブにて指導者としてのキャリアを開始。筑波大学大学院に在籍していた2004年、なでしこジャパンのアメリカ遠征に「テクニカルスタッフ(分析担当)」として帯同する。その時の縁がきっかけで、2005年に湘南ベルマーレにアシスタントコーチ(分析担当)として入団。その後、サガン鳥栖のテクニカルコーチ(分析担当)を経て、2008年よりサガン鳥栖のアカデミー(U-15)にて指導。その後も福岡J・アンクラス(当時、なでしこチャレンジリーグ所属)、アルビレックス新潟(U-12監督)、松本山雅FC(U-12監督)、星槎国際湘南女子サッカー部(コーチ)と、様々な年代や男子・女子での指導を経験したのち、2023年より愛知県額田郡幸田町にて活動しているGO FORWARD愛知にて小中学生の指導にあたる。
また現在は、これまでの経験を生かし、2023年10月より『サッカー指導者向けのコンサルタント事業』も行っている。
エコロジカル・アプローチとは「トレーニングの設計、制約によって技術が身につき、定着するようにデザインする」という指導法で、欧米では広く知られ、実践されている。
COACH UNITED ACADEMYでは、植田氏による「エコロジカル・アプローチに学ぶ、個人スキルとチーム戦術の学習に有効な指導理論」の動画を公開中。
後編では「エコロジカル・アプローチに基づいた、トレーニングの考え方と実践法」について、どのようなトレーニングが効果的なのか? を深掘りしていく。(文・鈴木智之)
エコロジカル・アプローチでは「練習環境が試合環境を再現できているか?」を重視しており、トレーニングは『タスクの分解』ではなく『タスクを単純化せよ』という方針を掲げている。
「タスクの分解とは、一つのスキルを取り出して反復練習し、試合に差し戻したら、できるようになるという考え方です。タスクを分解するので、敵がいなかったり、ルールの一部がなかったり、試合で生じる判断や意思決定がスキップされたトレーニングになりやすいとされています」
一方、前編で紹介した、テニスのバックハンドのスキルドリルのように、センターラインをずらしたゲームは、ゲームの全体性を維持しながら、バックハンドという『向上させたいスキル』が誇張されるトレーニング設定になっている。これを『タスクの単純化』と表現している。
サッカーのトレーニングでは、コートの広さや人数を変えたり、2タッチアンダーからフリータッチなど、ボールタッチに制約を設けたり、リターンパスは禁止など、ルールを変えながらトレーニングすることが一般的だ。
「それを制約操作と言います。ある一つの練習環境、制約下でトレーニングしていると慣れてしまい、学習効果が低くなるので、適宜、新しい制約に変えることが望ましいとされています」
植田氏の著書「エコロジカル・アプローチ」には、「スモールサイドゲームの制約を対象とする、規定組織化グループ(伝統的アプローチ)と、自己組織化グループ(エコロジカル・アプローチ)の比較」というデータがある。
エコロジカル・アプローチでは「トレーニングの設定やルールにバリエーションを持たせることで、さらなる能力の向上に寄与することができる」としており、スモールサイドゲームを例にあげると、伝統的アプローチでは「数的同位(同じ人数)」「選手数の進行(少ないから多い)」「フィールド(正方形から長方形)」「ボール(大中小のサッカーボール)」といった設定でのトレーニングが多い。
エコロジカル・アプローチでは、人数を3対3や4対5、4対3など同数、劣位、優位と次々に変えていったり、フィールドも正方形、長方形だけでなく、三角形や円、ダイヤモンドなど、様々な形で実施する。
サッカーボール以外にもテニスボールやラグビーボール、テクダマのように不規則に動くボールを使ったトレーニングや、プレーエリアを限定したり、異なるスキルを発揮した場合はボーナスポイントを与えるなど、プレーや判断のバリエーションが出るような制約を与えている。
「制約を操作することで、慣れさせないようにします。様々な種類のボールを使うことで、動作のバリエーション、キックのバリエーション、ドリブルやパス&コントロールのバリエーションを増やしていくようなやり方です」
さらに、こう続ける。
「エコロジカル・アプローチでは、コーチが好む運動や戦術的な動きを教えず、制約によってコントロールするのですが、実験したところ、伝統的アプローチよりもスキル習得が高く、チームとしての連動性も高いという結果が出ました」
よくあるトレーニング設定の場合、ある程度のレベルになると、苦もなくできてしまう。エコロジカル・アプローチでは、制約操作によって、常に刺激を与え、異なる環境に適応する過程で能力を高めていくという方法をとっている。
「サッカーのトレーニングの場合、コートがダイヤモンド型で、数的劣位かつ特殊なゴールで、ルールが次々に変わると、いままで感じたことのない刺激を受け、『このゲームに勝つためには、どうしたらいいんだろう』と必死で考えます。そのようにして、選手を慣れさせないよう、新しい刺激を与え続けることが大切なのです」
エコロジカル・アプローチでは「制約操作」の観点から、スモールサイドゲームを推奨している。
「コーチの役割は適宜、制約操作を行っていくことです。球技全体を対象に、分解的なスキルドリルvsスモールサイドゲーム(制約主導アプローチ)を実施し、どちらが早く上達するかを実験したところ、スモールサイドゲームを行ったグループの方が、良いパフォーマンスを発揮できるという結果が出ました」
初心者にいきなりスモールサイドゲームを行わせるのは、難易度が高いと思われるかもしれないが、「タスクの単純化がされていて、本人のレベルに合ったものであれば、良い学習効果が期待できます」と述べる。
COACH UNITED ACADEMY動画では、エコロジカル・アプローチの説明が多岐に渡っており、「ブラジルからタレントが生まれる理由」「クリエイティブな選手ほど、よく遊んでいる」「様々なスポーツをすることの重要性」「ボールマスタリーのトレーニングをする際は、繰り返す数を減らし、次々にメニューを変える」「動作に制約を加えることで技術習得につながる」といったトピックが紹介されている。
どれもコーチとして知っておきたい内容なので、ぜひ動画をご覧いただければと思う。きっと視聴後のトレーニングでは、新たな取り組みにチャレンジする気持ちが沸き上がってくるはずだ。
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【講師】植田文也/
1985年生まれ。札幌市出身。サッカーコーチ/ガレオ玉島アドバイザー/パーソナルトレーナー。証券会社勤務時代にインストラクターにツメられ過ぎてコーチングに興味を持つ。ポルトガル留学中にエコロジカル・ダイナミクス・アプローチ、制約主導アプローチ、ディファレンシャル・ラーニングなどのスキル習得理論に出会い、帰国後は日本に広めるための活動を展開中。footballistaにて「メニューで学ぶエコロジカル・アプローチ実践編」を連載中。著書に「エコロジカル・アプローチ」(ソル・メディア)がある。スポーツ科学博士(早稲田大学)。
今回登場してくれたのは、北海道の栗山町で活動する『くりやまFC』の中川圭太さんだ。
ボランティアコーチとして20年以上に渡り、地域の少年団を指導してきた中川さんに、COACH UNITED ACADEMYの活用方法と指導に対する想いを聞いた。(文・COACH UNITED編集部)
くりやまFCは人口1万人ほどの小さな町の少年団だが、40年以上の歴史を持ち、近年では道内大会で準優勝するなど、北海道では知られた存在だ。指導にあたるのは役場の職員や、教員、保護者などのボランティアコーチが中心。
中川さんも役場に勤めはじめた頃からボランティアで指導に携わっている。「もともとサッカー経験はあったのですが、職場の人に誘われて関わりはじめたのがきっかけでした。そのままハマっちゃって、気がついたら20年以上になります。いまは5、6年生を担当していて、チームにいる年数も長いので他のコーチの相談にのったりすることもあります」
ベテランとしてチーム全体の運営にも携わっている中川さん、その中で少子化の影響は大きく感じているという。
「くりやまFCは全体で約70人が活動しています。2学年ごとを1チームにして活動しているのですが、10年前は1学年に15、6人はいたのも、だんだんと減ってきています。そうした状況で、サッカーをする子どもたちを増やしていくには、地域のチームの環境をよくすることが大切です。そのためには指導者が力をつけていかなければなりません。COACH UNITED ACADEMYに入会したのも、そのためです」
しかし、ボランティアコーチ中心のチームで、学ぶ時間を確保することや、そこに投資をしていくことは難しい面もある。
「たしかに時間や費用の問題はあります。ただ、地方のチームでもいい環境を提供していくためには、学ぶしかありません。私が中心になってCOACH UNITED ACADEMYで学び、その中で良いものをみんなに伝えていければと思い、チームに費用を出していただきました」
※くりやまFCのコーチのみなさん
くりやまFCの指導者は約10人。それぞれ別の仕事を持つため全員が集まって勉強会を開くことは簡単ではない。そうした中で、中川さんがハブとなり、それぞれのコーチに必要な情報をCOACH UNITED ACADEMYの中から伝えていきたいと考えているそうだ。
「チームとしては『ボールを持つ』ことを大切にしています。ボールを失わなければ勝つチャンスも増えますし、何よりサッカーも上手くなれます。パスでもドリブルでも両方でボールを持てるチームですね。同じようなコンセプトを持ったチームのトレーニングは少しずつ真似しています。
普段から他チームの指導者とも話をしたりしますが、お互いの練習を見にいくことはなかなかできません。そうした中で、動画で見れるのはとても良いですし、メニューだけでなく、いつ何を伝えるか、言葉の選び方などは特に参考にしています」
COACH UNITED ACADEMYは、解決したいテーマに対する1日のトレーニングを全て紹介している。「W-UPからゲームまでの全体の流れ」「言葉のかけ方」「改善方法」まで、まるで講師の指導を見学させてもらっているようなリアルな体験が可能だ。そこを価値だと話す人が多いが、中川さんはどう感じているのだろう。
「私もトレーニングを丸っとマネしてみることがあります。当然、動画に出てくる選手と自チームの選手は違うので、うまくいかないことはありますが、その中で、選手がどう反応するのか? どうアレンジしたら変わるのか、自分ならどんな声がけをするか?など、いろいろ試しています。それをスタッフにやってみてもらうのもいいかもしれませんね。同じ練習をやっても声かけひとつで違いますし『うまくいかないのはなんで』って考えることが大きな学びになります。そこで、『俺だったら、ここ気になるな。こう伝えるな』みたいな話ができるといいのかなと」
しかし、COACH UNITED ACADEMYで紹介されている動画は「選手のレベルが高くて自分のチームには合わない」という声も聞く。
「うちも選手によって技術の差はあります。でも、まずやってみて困ったらアレンジしてみればいいんです。コートを広げたり、フリーマンを入れてみたり、そのくらいのアレンジは誰でもできますよね。うまくいかなかったら変えてみればいいんです。困ったら『場所を変えるか、人を変えるか』この2つを試してみるだけでもいいかもしれません。20年やっててもうまくいかないことはたくさんあります。それも学びですよね(笑)」
少子化の中で、サッカーを楽しむ子どもたちを増やしていくには、指導者のレベルアップは不可欠だ。「COACH UNITED ACADEMY」をチームの取り組みとして活用するくりやまFCのケースは、他の少年団チームのヒントになるのかもしれない。
これは指導者にとって、永遠のテーマと言えるだろう。
2023年、トレーニング方法に関して、センセーショナルな書籍が発表された。早稲田大学のスポーツ科学研究科を経て、欧州の名門・ポルト大学大学院でトレーニング学を学んだ植田文也氏による「エコロジカルアプローチ」だ。
エコロジカルアプローチとは「トレーニングの設計、制約によって技術が身につき、定着するようにデザインする」という指導法で、欧米では広く知られ、実践されている。
そこで今回は、日本のエコロジカルアプローチの第一人者・植田氏に「エコロジカル・アプローチに学ぶ、個人スキルとチーム戦術の学習に有効な指導理論」をテーマに講義を実施してもらった。
トレーニングの仕方に疑問を持つ指導者、自主練の参考にしたい選手・保護者など、サッカーに携わる多くの人にとって、有益な情報提供になっている。(文・鈴木智之)
サッカーの技術を習得させるにあたり、どのようなアプローチが効果的なのだろうか? 多くの人は「正しい手本を示し、その通りの動作を繰り返す」という方法が思い浮かぶことだろう。
これは「伝統的アプローチ」と呼ばれるもので、「運動には正しい動作がある」という仮定のもと、同じ動作を繰り返して体に染み込ませ、習得させていく方法だ。
一方のエコロジカルアプローチは「制約主導アプローチ」と呼ばれ、環境(ボールやグラウンド、ルール等)を操作することで制約を生み出し、運動課題を与えることで技術を習得させるという方法のことである。
動画では「伝統的アプローチ」と「制約主導アプローチ(エコロジカルアプローチ)」の違いを、「テニスのバックハンドを習得する」という行為を例に説明。
植田氏は「伝統的アプローチは、試合中のプレーからバックハンドスキルを取り出し、それを反復させることで習得を促し、試合に戻すとバックハンドを使い始めるのではないかという考え方です」と話す。
一方のエコロジカルアプローチは、腕の振り方、ひじの角度といった技術指導や反復ドリルはせず、トレーニングの中に制約課題を設けることで、自然とその動作を繰り返し行う環境を作り、その中で身につけていく方法をとっている。
「これはひとつの例ですが、テニスのバックハンドを習得する場合、エコロジカルアプローチだと、センターラインをずらしたコートを作り、対角線にボールが入るとポイントにするといった制約を設けます。つまり、バックハンド側のスペースを大きくして、このゲームに勝つには、バックハンドが有効だという環境を作り、自然と出るように仕向けるのです」
伝統的アプローチとエコロジカルアプローチのどちらが、練習前と後でフォアハンド、バックハンドの比率が改善したのだろうか?
「エコロジカルアプローチの方が改善され、伝統的アプローチはほぼ改善されませんでした。テニスに限らず、伝統的アプローチよりもエコロジカルアプローチ方が、人間の運動に与える影響は大きいという研究結果はたくさんあります」
これはサッカーも同様だ。ドリブル、パス、シュートといった技術に対して、コーチが蹴り方や仕方を教えて、同じ動作を繰り返し行わせるのが、伝統的アプローチである。
エコロジカルアプローチは技術的な指導はほとんどせず、パスやシュートであれば距離や角度、ルールなどの制約をこまめに変えて、環境に適応させる形でトレーニングを行っていく。
「伝統的アプローチとエコロジカルアプローチのグループを作り、それぞれの方法で練習した後、試合の中で選手一人ひとりがどのようなスキルを使っているかをカウントした研究があります。エコロジカルアプローチの方が、試合中のアクション回数が多く、成功回数も多いという結果が出ました」
さらに、キックであればインサイド、インステップ、アウトサイド、ヒールといったバリエーションも豊富で、創造的なプレーの回数も多かったという。
「エコロジカルアプローチは、そもそも正しいとされる動きを教え込むことをしないので、クリエイティブなプレーが出やすい。そこはひとつのメリットとされています」
エコロジカルアプローチは技術習得だけでなく、「一度学習したスキルが、どれほど維持されているか」という部分でもメリットがあるという。
「伝統的アプローチのグループとエコロジカルアプローチのグループで、テニスのフォアハンドストロークのトレーニングをし、4週間後にどれぐらいスキルが維持できているかのテストをしたところ、エコロジカルアプローチのグループは7つの打ち方のうち5つが維持されていました」
一方の伝統的グループは、実際にできた打ち方が減り、内訳もバラバラだったという。
「伝統的アプローチは指導者が好む打ち方をさせる、つまり鋳型に押し込んでいくような教え方なので、元々持っている動作バリエーションが減ってしまいます。それも伝統的グループの特徴です」
COACH UNITED ACADEMYの講義では、エコロジカルアプローチのメリットを、様々なデータや実例をもとに紹介されている。
「スキルはコーチが教えるのではなく、運動課題が教える」「コーチの役割は、手取り足取り、運動そのものを教えるのではなく、運動課題をデザインすること。つまり制約のデザイナーである」といった考え方を知ることで、トレーニングに対するアプローチ方法が変わっていくのではないだろうか。
後編では、どのようにしてサッカーのトレーニングにエコロジカルアプローチを用いるかなど、具体例をもとに解説していく。
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【講師】植田文也/
1985年生まれ。札幌市出身。サッカーコーチ/ガレオ玉島アドバイザー/パーソナルトレーナー。証券会社勤務時代にインストラクターにツメられ過ぎてコーチングに興味を持つ。ポルトガル留学中にエコロジカル・ダイナミクス・アプローチ、制約主導アプローチ、ディファレンシャル・ラーニングなどのスキル習得理論に出会い、帰国後は日本に広めるための活動を展開中。footballistaにて「メニューで学ぶエコロジカル・アプローチ実践編」を連載中。著書に「エコロジカル・アプローチ」(ソル・メディア)がある。スポーツ科学博士(早稲田大学)。
低学年を指導する際、伝えるのに苦労するのが「守備」について。ある程度の原理原則に基づくため、ポイントを絞って伝えることが重要になる。
そこで今回より、GO FOWARD 愛知でコーチを務める対馬武志氏に「2人で協力して、相手のボールを奪う守備の基本」を教えてもらった。
対馬氏はA級ジェネラルを保有し、アルビレックス新潟や松本山雅でU-12の監督を務めるなど、ジュニア年代での豊富な経験を持っている。
子どもたちが楽しくプレーしながら、わかりやすく守備の原理原則を学ぶために、どのようなトレーニング、声かけをしていくのだろうか?(文・鈴木智之)
最初のトレーニングは「ドジング」。これは1対1のことで、攻撃側は片方の手のひらの上にボールを乗せた状態で、守備側の背後にあるライン通過を目指す。守備側はボールを奪うのではなく、相手の動きに対応していくというトレーニングになっている。
対馬コーチは開始前、「このトレーニングでは、守備の対応で重要となるステップワークを身につけることを狙いとしています」と話し、「相手の正面に入り続けること」をポイントに挙げた。
トレーニング中、対馬コーチは「攻撃側は、相手を横に動かして(自分の正面が空いたら)突破するイメージを持とう」と声をかけ、守備側には「相手と一定の間合いを保ちながら、相手の正面に入り続けること」を強調。
「守備側は、相手の真正面に入って、一番近い道を塞ごう」「攻撃側は、正面が空いたと思ったら、前に進んで行こう」
さらには具体的な姿勢にも言及し、「守備の選手が、攻撃の選手の正面に入り続けるためには、片方の足を前、片方を後ろにしよう。足を前後にして、上半身は相手に向けて、正面に立つ」とデモンストレーション。
上半身を横に向けすぎてしまうと、向いている方向には速く動くことができるが、背中側に進まれると対応が遅れやすくなり、振りきられやすくなってしまう。そのあたりをわかりやすく説明していく。
そして「守備は相手がサイドに来たら、進行方向を塞いで、体を当てて押し出してもOK(手を出して押すのはなし)」というルールを設定。
相手が真ん中にいるときにサイドに押し出そうとすると、すり抜けられてしまうので、いつ、どのタイミングで寄せに行くのかなどを体感させていった。
続いての動画のテーマは「相手のボールを奪う、体の入れ方」。トレーニングは「1対1(ラインゴール)」で、場の設定は先程と同じ。今回は攻撃側が足でボールを扱って行っていく。
このトレーニングは、ルール設定が特殊である。攻撃側は「タッチ数7回以内」または「7秒以内」でライン通過を目指し、守備側は「意図的に足を出してボールに触ることなくボールを自分のものにする」というルールのもとで行う。守備側としては、「自ら足を出してボールを触りにいくことができない」という制約があるので、相手の足からボールが離れたタイミングを見計らって、体をぶつけてマイボールにしたり、相手とボールの体の間に自分の体を入れてマイボールにしたりすることを学んでいく。
対馬コーチは、股抜きをした攻撃の選手に対して、すぐに反転して体を入れて、ボールを奪ったプレーに対して「素晴らしい!」と賞賛。
「相手とボールの間に、自分の体を入れて奪った。このように、相手にドリブルをさせてボールを奪うことをやっていこう」
ここでは、相手との間合いについて説明。
「相手との距離が遠いと、攻撃側は怖さを感じないよね? 一歩足を伸ばして触ることのできる距離を保って、相手にボールを運ばせて奪おう」
ボールの奪い方として、相手に体をぶつけて、相手をボールから遠ざける「どいてください」と、相手とボールの間に体を入れる「お邪魔します」の2パターンを提示。
「これが相手にボールを運ばせて、奪うやり方です」と、年齢に合わせた、わかりやすい表現で伝えていた。
最後は制限時間6秒に短縮。「守備の選手は、時間切れも狙ってね。攻撃側はどこかで勝負を仕掛けてくるから、そこに対して奪いに行く。そのトレーニングだよ」とポイントを説明。
たとえボールを奪えなくても、「次は取れそうだ」「さっきより良くなった」など、ポジティブな声かけを実施することで、前向きにチャレンジする環境を作り出していった。
また、プレーの原理原則もわかりやすく伝え、「"今"のところではなく、相手が行きそうな"未来"のところに先回りしよう」とアドバイス。
「速い相手の場合"今"のところに行くとすり抜けられてしまう。相手の方が速いと思ったら"未来"のところに行って体を入れたり、ぶつけたりしよう」
今回の動画は、経験豊富な指導者ならではの説明や雰囲気作りなど、参考になること間違いなしだ。トレーニング自体はシンプルなので、すぐに真似できる。ぜひ日々のトレーニングに活用していただければと思う。
【講師】対馬 武志/
大学時代に、東京都保谷市(現西東京市)の碧山サッカークラブにて指導者としてのキャリアを開始。筑波大学大学院に在籍していた2004年、なでしこジャパンのアメリカ遠征に「テクニカルスタッフ(分析担当)」として帯同する。その時の縁がきっかけで、2005年に湘南ベルマーレにアシスタントコーチ(分析担当)として入団。その後、サガン鳥栖のテクニカルコーチ(分析担当)を経て、2008年よりサガン鳥栖のアカデミー(U-15)にて指導。その後も福岡J・アンクラス(当時、なでしこチャレンジリーグ所属)、アルビレックス新潟(U-12監督)、松本山雅FC(U-12監督)、星槎国際湘南女子サッカー部(コーチ)と、様々な年代や男子・女子での指導を経験したのち、2023年より愛知県額田郡幸田町にて活動しているGO FORWARD愛知にて小中学生の指導にあたる。
また現在は、これまでの経験を生かし、2023年10月より『サッカー指導者向けのコンサルタント事業』も行っている。
COACH UNITED ACADEMYでは、前回より、U-12のコーチを務める、高橋慎一氏による「駆け引きをしながら、相手の逆をとる実践トレーニング」を公開中だ。
後編では、グループとして相手を観ながら、複数の選択肢を持ち、相手の逆をとってゴールに向かうトレーニングを行っていく。(文・鈴木智之)
後編最初のトレーニングは「2対2+サーバー」。攻撃側はゴールを目指し、守備側はボールを奪い、サーバーの背後にあるライン突破を目指す。
攻守は1回ずつで交代。サーバーがゴールを決めるのはOKで、サーバーは1回のみ使用可能というルールだ。
高橋コーチは「常にゴールを目指す」「どういうサポートをする?」と声をかけ、攻撃側がボールを持ったときに、もうひとりの味方があえて離れることで、局面で1対1の状況を作り出し、突破からゴールを目指す形があることに言及。
もしくは味方が背後のスペースに抜けるアクションを起こすことで、パスもあると見せかけて、カットインしてゴールに迫るなど、状況に応じたプレーの使い分けや、複数の選択肢を持つことの重要性を伝えていく。
目的はゴールなので、ファーストタッチでゴールを目指すところに置くことが理想だ。
高橋コーチは「ゴールを観て、次に何を観る?」と問いかけ、「相手の位置を観て、カットインや裏のスペースへのパス、クロスオーバーの動きなどを使って、どう相手をはがすか。アイデアを出しながらやろう」とアドバイスしていた。
続いては「4対4+サーバー+GK」。設定は同じだが、グリッドが縦34m×横30mと広くなる。
ここでも「相手をよく観ること」「複数の選択肢を持ちながら、より良いプレーを選ぶこと」を強調。
「テンポよくボールは動いているけど、ドリブルの選択肢を増やしてほしい」と声をかけ、「ボールを持った選手は、近いところの選択肢を探している。自分でゴールを目指す選択肢を持とう」と、ゴールを目指すことの重要性を伝えていた。
また、ボールを奪ったあと、サーバーへのパスコースがあったのに、サイドにパスをした選手に対して「どこを目指す?」と声をかけ、「サーバーを観ていない選手が多い。前を向いたらサーバーを覗こう」とアドバイス。
「目的は突破することなので、常に前への意識を持ちながら、ボールを動かしていこう。前を覗きながら、無理だったら止める」など、選択肢を持つ中でプレーを選ぶようにうながしていった。
最後は「5対5+フリーマン+2GK」。開始前、高橋コーチは「コートが縦に長いので、サポートの縦の距離感を作ることができる。スペースがあると相手を観ることができるし、選択肢を持ちながらプレーができる。要所で逆をとりながら、ゴールに向かうプレーを増やしていこう」と声をかけ、トレーニングがスタートした。
他には、パスが出せてドリブルもできるよう、各選手がスペースを意識しながらポジションをとることの重要性を強調。状況に応じた「近づくサポート、離れるサポート」の使い分けもレクチャーしていった。
さらには守備陣にもアドバイスし、「守備が間延びしているので、前から行くのであれば準備をする。難しければ、下がるときは下がる。だた行くのではなく、状況に応じてプレーを変えよう」と声をかけていく。
それに対し、攻撃側には「相手が前から守備に来ているのであれば、狙いを把握して、裏を取るのか。足元を狙うのか」と投げかけ「それぞれがスペースを作ることで、余裕が生まれる。相手の守り方を観て、ゴールにどうやって向かうか。複数の選択肢を持ちながらプレーしよう」とポイントを伝えていった。
以上でトレーニングは終了。高橋コーチは「今回、紹介したトレーニングを積み重ねることで、選手一人ひとりが相手を観て、どのように決断し、ゴールに向かって行くかを考えてプレーできるようになっていきます」と話した。
今回の動画は、相手を観ること、味方とつながることなど、サッカーに必要な要素が組み込まれたトレーニングだ。ぜひ繰り返し観て、指導のポイントを整理しつつ、日々のトレーニングに活かしていってほしい。
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【講師】高橋慎一/
東京スポーツレクリエーション専門学校で指導者の勉強をしながら南葛SCで指導者としての活動をスタート。卒業後はFCリベレオでU-13,U-15の監督を務めてクラブ史上初の高円宮杯関東大会に出場。現在はWingsでU-12の監督を務め「JFA全日本U-12サッカー選手権大会千葉県大会」を2年連続でベスト4入りを果たす。「選手1人1人の良さを伸ばす事」を重視しWings U-15へ内部昇格や関東のJクラブへ選手を輩出している。
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]]>チームとしては相手の逆をとること、個人の良さを伸ばすことに意識を向けており、選手一人ひとりの個性を伸ばすことを重視している。
そこで今回は相手と駆け引きをし、逆をとるために必要なポイントを、U-12のコーチを務める、高橋慎一氏に実践してもらった。
激戦区・千葉で上位を争うチームでは、どのような指導のもと、個を伸ばしていくのだろうか?(文・鈴木智之)
駆け引きを上達させる「相手の逆をとる」トレーニング。動画前編では「駆け引きに必要な基本技術の習得」をテーマに、ドリブルや4対2、1対1+サーバーを行っていく。
トレーニング前、高橋コーチは「相手の逆をとるためには、駆け引きをしながら、相手をしっかり見ること。相手の動きを予想することが大切です」と話し、「ボールを受ける位置やボールの置き所、体の向き、目線、足首などを上手に使いながら、ゴールを目指すことがポイントになります」と説明する。
最初のトレーニング「フリードリブル&コントロール」では「選手自身のチャレンジが大切になるので、そのチャレンジを促すよう、コーチングにも気をつけて取り組んでいきます」と、指導をする上での心構えを提示。
設定としては、グリッド内で各自ボールを持ち、自由にドリブルをしていく。高橋コーチは「自分のイメージの中でドリブルをしよう」「相手がいるイメージで、上半身を揺さぶるなど、駆け引きをしてドリブルをしよう」とアドバイス。
続いて「体の向きや目線を意識しながら、逆をとること」を、デモンストレーションを交えながら説明していく。
「スピードは意識しなくていいけど、ボールの置所は意識しよう。相手がいるイメージの中で、ボールをどこに置くか。足首でボールの位置クッと変えられるといい」
その後、「7人がドリブルし、6人が動きながらボールをもらう」というルールにチェンジ。ここでもドリブルの選手は「足首を使いながらボールを触り、相手の逆をとること」の重要性に触れていく。
オフ・ザ・ボールでは、動きながらボールをもらうときに、ただ動くのではなく、「自分から近寄ったり離れたりする事」と、コントロールで相手の逆をとれるようにイメージする事」を重要視。
「体の向きを意識しながら、足首やステップワークで逆を取れるようにしよう」とコーチングを行っていった。
2つ目のトレーニングは、12m四方のグリッドで行う「4対2」。いわゆるロンドのトレーニングだが、パスだけでなく、ドリブル突破を推奨する。
高橋コーチは「ただボールを動かすのではなく、対角線上へのドリブル突破を意識してほしい。前提はボールを大切にし、失わないこと。フリーになったら、自分から仕掛けよう」と声をかけていた。
ここでは、ボールを受けたときの体の向きや、目線でフェイントをかけながら、相手が食いついてきたらパスorドリブルなど、複数の選択肢を持つことの重要性を強調。
周囲との関わりの中で、相手と駆け引きをすることに意識を向けていった。
前編最後のトレーニングは「1対1+サーバー」。15m四方のグリッドで実施し、攻撃側はゴールを目指し、守備側は奪ったボールをサーバーへパスすると攻守交代となる。
ここで高橋コーチが強調したのが「(目的である)ゴールを目指してボールをコントロールすること」。
「受けたボールを、ゴールを狙える位置に置く。そのコントロールを意識しよう。ゴールを目指すために、そのトラップを大事にしないといけない」と話し、「守備がゴールを守ろうとしたら、カットインすることもできる。このトラップがすべて。ゴールを意識しながらプレーしよう」と伝えると、次々に良いプレーが出始めていた。
高橋コーチは「前編では、フリードリブルや4対2、1対1で相手との駆け引きや、複数の選択肢を持ちながら、相手を見て決断するトレーニングを行いました」と振り返った。
「最初のフリードリブルでイメージをつけて、4対2では、目的に対してボールを受ける位置を考えることや、積極的なチャレンジに取り組みました。1対1ではコントロールで相手をはがすことや、駆け引きから突破するところがポイントになります」
後編では、グループでのトレーニングに移行し、複数の選択肢を持ちながらゴールに向かうプレーを指導していく。
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【講師】高橋慎一/
東京スポーツレクリエーション専門学校で指導者の勉強をしながら南葛SCで指導者としての活動をスタート。卒業後はFCリベレオでU-13,U-15の監督を務めてクラブ史上初の高円宮杯関東大会に出場。現在はWingsでU-12の監督を務め「JFA全日本U-12サッカー選手権大会千葉県大会」を2年連続でベスト4入りを果たす。「選手1人1人の良さを伸ばす事」を重視しWings U-15へ内部昇格や関東のJクラブへ選手を輩出している。
今年度からジュニアユースの指導に携わっているのが、長年、三菱養和SCで指導し、相馬勇紀選手(カーザ・ピアAC)や、中村敬斗選手(スタッド・ランス)、瀬古樹選手(川崎フロンターレ)など、多くの選手の指導に関わって指導をしてきた大槻邦雄氏だ。
大槻氏は現場の指導に加えて、2023年末には「やってみようサッカー (こどもスポーツ練習Q&A) 」を出版するなど、幅広い角度で選手育成に携わっている。
指導経験豊富な大槻氏による「ジュニアユース年代で抑えておきたい、守備の原理原則」をテーマにしたトレーニング。
後編では「守備の基本を実践する、ゲーム形式のトレーニング」を通じて、個人の判断をベースに、グループでボールを奪いに行くための考え方を身につけていく。(文・鈴木智之)
後編最初のトレーニングは「6対6+GK」。縦60m×横45mのエリアで実施。大槻コーチは「これまでのトレーニング(※前編参照)は、1列の守備だったけど、ここから2列の守備になります」と説明。
前3人、後ろ3人の2列なので、横ズレしながら、縦にズレて守備をする場面が出てくる。
そこで「(前列の選手は)プレスバックまでを考えて守備をしよう」とアドバイス。さらには前編のトレーニングで、味方同士の指示の声が少ないことに触れ、「もっと声を出そう。守備は強い闘争心持ってやらないと失点に直結する」と指摘。
前編同様、ゴールキーパーにもフォーカスし、「ディフェンスラインの背後に抜けてくるボールやクロスボールが入ってくる。ディフェンスラインのコントロールや、ボールに行く・行かないの判断も、後ろからコーチングしてあげよう」と声をかけていく。
実戦形式のトレーニングでは、ゴールキーパーが参加することも多い。指導する際は、フィールドプレーヤーへの指示ばかりになりがちだが、実際の試合ではゴールキーパーとディフェンスラインが協力して、守備をすることが重要になる。
そのため、トレーニングのときから、ゴールキーパーにも気を配るべきだろう。さすが経験豊富な大槻コーチ。ゴールキーパーとの重要性にも言及していた。
トレーニングが始まると、プレーにシンクロしながら、前編で伝えたポイントを端的に伝えていく。
「中を閉じながら」「ポジションをとって」「中を閉じて相手を外に」「間を通されないように」
ここで重視したのが、守備は内側を閉じるポジションをとり、中から外を見られるようにしておくこと。
また、中の選手が早いタイミングで外に出て対応すると、中のスペースが空いてしまう。そのため、いつ、どのタイミングで外に出るかという、認知や判断にもアプローチしていった。
前編では、相手を規制して、サイドに誘導し、予測のもとにボールを奪うことを繰り返し伝えていたが、ゲーム形式でもポイントは同じ。グループでボールの取り所を定めたら、パワーを持って奪いに行くことが重要になる。
さらには、攻撃の前線の選手に対し、自分の横をボールが通過したら、プレスバックして、味方とサンドしてボールを奪うことを強調。その他にも、守備の個人戦術からグループ戦術に発展させていくことについても触れているので、全容は動画で確認してほしい。
最後は「7対7+GK」をジュニア用のコートで実施。ここでは「ファーストディフェンダー役のセンターフォワードの選手を、チーム全体でコントロールしてプレーしよう」と話し、トレーニングがスタート。早速、これまで取り組んできた誘導、規制からボール奪取のシーンが出ていた。
以上でトレーニングは終了。大槻コーチは次のように締めくくった。
「守備には約束事があり、グループ、チームで合わせていく作業が必要です。そして、絶対に守るんだという強い意志、闘争心がなければ成立しません。そのためには、トレーニングの中での声のかけ方、雰囲気作りがとても大切です」
さらに、こう続ける。
「トレーニングメニューはたくさんありますが、まずはサッカーを楽しませてあげることを大切にしています。今回のトレーニングに限らず、指導者が子どもたちと一緒になってサッカーを楽しむ気持ちを大切にしてほしいと思います」
今回の動画は、どのようにして、個人・グループに守備のベースを植え付けるのか。そのための考え方と方法論を知ることができる内容になっている。
ジュニア年代の指導者にも参考になるので、ぜひ繰り返し見て、指導に役立てていただければと思う。
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【講師】大槻邦雄/
1979年4月29日生まれ。
三菱養和サッカークラブジュニアユース、ユースを経て国士舘大学サッカー部でプレー。卒業後、JFLなどでプレーし、選手生活と並行して国士館大学大学院スポーツシステム研究科を修了。
2006年より三菱養和サッカースクールで指導者としてキャリアをスタートさせ、各年代で全国大会を経験。クラブとしての実績を残すとともに、相馬勇紀(カーザ・ピアAC)、中村敬斗(スタッド・ランス)、瀬古樹(川崎フロンターレ)など、述べ20人のJリーガーの指導に携わった。
現在はJリーグ水戸ホーリーホックでアカデミーの指導にあたっている。保護者も含めた多角的なアプローチで選手を育成するスペシャリストとして定評がある。中学校・高等学校教諭一種免許状(保健体育)を持つ。
オンラインセミナーでは、Jクラブで20年フィジカルコーチを勤め現在ヴァンフォレー甲府フィットネスダイレクターとしてアカデミー年代のサポートを行う谷真一郎コーチ、日本を代表する選手をはじめプロアスリートからジュニアアスリートまで累計10,000人以上の栄養サポート実績を持つ管理栄養士の佐藤彩香さんに登壇頂き、オンザピッチ・オフザピッチ両面でのコンディション管理において有益なノウハウをご紹介します。
■新学年になると
学年が上がる、特に小学生から中学生、中学生から高校生に上がると強度やスタミナが1段階上がり怪我をしやすいタイミングでもあります。
新学年のスタートからコンディション管理を取り入れ、選手の怪我予防、パフォーマンス向上に繋げませんか?
4月からの新学年を前に、トレーニング構成や休養の取り方・栄養面の両方から学ぶことのできる絶好の機会となっております。ぜひ多くの方の参加をお待ちしております。
■概要
新学年の前に知っておきたい、チームとしてのコンディション管理術
1部:管理栄養士の佐藤さんによる、食事や栄養視点からのコンディション管理
2部:谷さんによるトレーニング構成や休養視点からのコンディション管理
■講師
●谷真一郎(ヴァンフォーレ甲府フィットネスダイレクター)
1968年11月13日生まれ。愛知県立西春高校から筑波大学を経て1991年に柏レイソル(日立製作所本社サッカー部)へ入団し1995年までプレー。現役時代のポジションはFW。筑波大学在籍時の1990年に日本代表にも選ばれ同年7月のダイナスティカップ・韓国戦に出場。引退後は柏レイソルの下部組織で指導を行いながら筑波大学大学院にてコーチ学を専攻。2020年よりヴァンフォーレ甲府のフィットネス関連の活動に携わるフィットネス・ダイレクターに就任。
【指導歴】柏レイソルユースコーチ/柏レイソル フィジカルコーチ/ベガルタ仙台 フィジカルコーチ/横浜FCトップチーム フィジカルコーチ/ヴァンフォーレ甲府 フィジカルコーチ
●佐藤彩香(管理栄養士)
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。実践型の栄養サポートを行い、プロアスリートからジュニアアスリートなど累計一万人超える人々と関わる。
現在はアスリート栄養サポート、専門学校非常勤講師、セミナー講師、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動。
■開催日時
2024年3月4日(月)20時〜21時30分終了予定
■参加対象
この告知をご覧頂いている皆様
※有料会員以外の方もご参加頂けます。
※指導カテゴリーは問いません。
■参加費
無料
※味の素株式会社が運営するスポーツ栄養科学ラボへの会員登録(無料)が必須となります。 会員登録の流れについては参加お申し込み頂いた後のメールにてご連絡させて頂きます。
■参加お申し込み方法・以下の申し込みフォームよりご応募ください。
【無料オンラインセミナー】ヴァンフォーレ甲府・谷真一郎コーチなどによるチームとし てのコンディション管理術が学べるセミナー>>
・エントリー締め切り後、ZoomのURLをメールでお送りいたします。
■締め切り
2024年2月28日(水)23時59分まで
皆様のご参加をお待ちしております。
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【運営者:株式会社イースリー】
COACH UNITED 事務局
MAIL:info@coachunited.jp
※お問い合わせはメールにて承っております。
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今回のテーマは、低学年のときから意識させたい「パス、ドリブルの使い分けができるボールの持ち方」。講師を務めるのは、神奈川県の強豪・中野島FCのコーチを務める、岡本一輝氏だ。
中野島FCはセレクションがなく、主に小学校の校庭でトレーニングする環境ながら『アイリスオーヤマ 第7回プレミアリーグチャンピオンシップ』で全国優勝を達成。強豪ひしめく神奈川県において、Jクラブに肉薄する成績を残すなど、確かな指導で個とチームを成長に導いている。
U-8~U-10の子たちに対し、プレーの頻度と説明のバランスをりながら、どのような内容を伝えればいいのか。岡本コーチの指導には、サッカーを始めたばかりの子どもたちに対する指導のヒントが詰まっている。(文・鈴木智之)
前回のトレーニングでは、基礎トレーニングの後、2対1を実施した。今回はその発展形として「3対3+1フリーマン」からスタートした。
岡本コーチは「このトレーニングでは、プレーが選べるボールの持ち方、パスの質の他に、相手の立ち位置を見ながら、どのゲートが得点が奪いやすいかを観察することも重要になります」と話し、次のように続ける。
「また、オフザボールの選手の立ち位置や、観る場所にもアプローチしていき、ボールを持ったときに、正しい判断ができるようにコーチングしていきます」
設定としては、グリッド内にコーンで5つのゴールを設置し、ドリブルかパスでラインを通過すれば1点となる。フリーマンは攻撃側の味方で、外にボールが出たら、コーチが配球する。
岡本コーチは「どこが空いているかな?」「空いているゴールを観てた?」など、認知の部分に言及。「観ていないと気づけないよね」「どうやれば観えるかな?」など問いかけながら、考えを引き出していく。
またコーンをめがけてドリブルし、相手が塞いだのを感じて、違うゴールへ目標を変えたプレーを賞賛。「いま判断を変えたよね。こういうのを目指してほしい」など、良いプレーを積極的に褒め、子どもたちのモチベーションを高めていく。
このトレーニングはゴールがたくさんあるので、目的がわかりやすく、プレーの強度も上がる。パス、ドリブルの判断が次々に迫ってくるので、頭の中にも絶えず刺激が入る、秀逸な設定だ。ぜひ参考にしてほしい。
また「ドリブルをすると見せかけて、パスを出すことも意識してみて」と話し、「ボールの持ち方は、周囲を観られるように顔を上げよう。そして、どこに人がいるかを観て、いないところにドリブルしていく」と説明。デモンストレーションを交えることで、子どもたちにも理解しやすくなっていた。
続いてのトレーニングは「3対3+1フリーマン(3ゴール)」。
ゴールを3つずつ設置し、中央のコーンにパス、もしくは両サイドのゴールをドリブルで通過したら1点。フリーマンは攻撃側の味方で、ゴールを決めることはできないというルールだ。
岡本コーチは「中央のゲートに関しては、ゴールというより、あそこのスペースにパスを出したらチャンスになるというイメージ」と、実際の試合を例に伝えていく。
ここでも認知に重点的にアプローチし、「ボールを受ける前に周りを観ていた?」と問いかける。
「試合ではボールだけ? どこを観ないといけない?」と投げかけ「自分が目指す方向が、どうなっているかを観ておこう」とアドバイス。
その後、ボールとゴールの両方を観ることのできる体の向きを作ることをレクチャーしていった。
ほかに、技術的な部分にもフォーカスし、「スピードを上げすぎてボールと体が離れると、判断を変えられない。コントロールできるスピード、ボールの位置が重要」と話し、「判断を変えられるところにボールを置こう」と声をかけていった。
トレーニングの成果として、ボールが来る前に周りを観て、空いている味方にパスをするといったプレーや、パスと見せかけて相手を釣り出し、ドリブルで突破するといったプレーが出始めていた。
トレーニング終了後、岡本コーチは次のように総括した。
「パスとドリブルの使い分けをするためには、観る(認知)、状況判断、ボールの置き所の3つが重要です。観る(認知)は、いつ、どこをどのように観るのかを、細かく選手たちに伝えていくことで、観察力が身についていきます」
さらに、こう続ける。
「状況判断は、状況に応じた正しいプレーを選択し、それが正確に実行できているかを観察していきます。ボールの置きどころは、常にプレーが選べるところにボールを置くことで、多数のプレーを瞬時に選択することができます」
以上のポイントを意識することで、コーチングをするときに、伝えやすくなるだろう。
また、低学年の子どもたちは、お手本を観ることで、プレーを記憶していく。説明と実技の使い分けなど、岡本コーチの指導は参考になるところが多数ある。繰り返し見て、エッセンスを感じ取っていただければと思う。
【講師】岡本一輝/
1996年1月28日生まれ。日本サッカー協会公認B級ライセンス保持。中野島FC、川崎フロンターレU-15、川崎フロンターレU-18、桐蔭横浜大学、Angkor Tiger FC(カンボジアプロ1部リーグ)でプレーし、2019年から中野島FCの監督に就任し指導者としてのキャリアをスタート。2022年夏に行われた「アイリスオーヤマ第7回プレミアリーグチャンピオンシップ」でクラブ初となる全国大会優勝を達成した。